腸内環境が体に与える影響 後編

◎腸内環境がよくなるとどうなるのか?

・腸の消化、吸収を助ける

・病気の抵抗力を高め、拡大を防ぐ

・細菌が作り出す酵素によって、コレステロール、アンモニア、尿素といった不要な物質が分解される

・発がん性物質の生成を予防する

・交感神経、副交感神経のバランスがよくなる

他にも多くのメリットがあります。

腸内の環境をよくすることというのは、全身の健康状態を保つこととイコールですので、積極的に取り組みたいものですね。

◎腸内環境が悪くなるとどうなるのか?

・睡眠の質が下がる

腸内環境が悪いと睡眠の質が悪くなり、いろいろな病気を引き起こす原因となります。

糖尿病、脂質異常症、高血圧といった生活習慣病に加え、鬱病、自律神経失調症、産後鬱といった現代に多い疾患、脳卒中や心筋梗塞といった命に関わる病気のリスクも高めます。

・免疫力の低下

私たちの身体の中には「免疫」といって、有害な細菌、ウイルスといった病原体の侵入を予防する機能が備わっています。

全身の免疫細胞のうち、約7割は腸にありますので、腸内環境を整えることこそが、免疫力の向上になります。

仮に腸内環境が悪化すると、病原性細菌の数が増え、免疫力が低下し、感染症を含むさまざまな病気にかかりやすくなります。

これからの季節悩む人も多い花粉症や、アトピー性皮膚炎、アレルギー疾患、リウマチなどの自己免疫疾患とも大きな関わりがあります。

・血流が悪くなる

よく「血管がドロドロになる」、「サラサラにした方がよい」といわれていますが、これも、腸内環境に左右されます。

ドロドロになると流れが悪くなるのは、至極当然のことです。

腸には多くの神経が巡っているので、環境が変わると、自律神経の乱れを引き起こします。

また、お通じの状況が悪くなると、体内にどんどん老廃物が溜まり、体内で作られた毒素とともに留まり続けます。

これが血流を滞らせる原因となり、不妊症や生活習慣病の危険因子ともいわれています。

・アルツハイマー型認知症の発症リスクがあがる

アルツハイマー型認知症の患者さまの腸内フローラを調査したところ、”バクテロイデス”と呼ばれる腸内細菌の比率が低いことが判明しました。

根本的な原因と言い切るのは難しいですが、腸内のバクテロイデス菌が足りないことが認知症と深く関係しているのは間違いないでしょう。

このバクテロイデス菌は、食物繊維を主成分としているため、積極的に摂取していきたいところです。

食物繊維が多く、摂りやすい食物としては、きくらげ、こんにゃく、えだまめ、ブロッコリー、しいたけなどがあります。

食事の欧米化など、決してバランスの良い食事をしているといえない方は、どんどんこの細菌の数を減らしてしまいます。

食生活を見直し、なるべく食物繊維を摂ることを意識していきましょう。

・ストレスへの対応力がさがる

腸と脳が密接な関係にあることは分かっていただけたと思います。

つまり、腸内環境は、自律神経にも影響を与え、交感神経、副交感神経のバランスが崩れることで精神的な症状も出やすくなります。

また、セロトニンの前駆体となるアミノ酸も腸で生成されているものです。

脳内のセロトニン濃度が低下すると、ストレスに対する耐性も低くなるため、凹んだり、落ち込むことが増えます。

結果、鬱病や自律神経失調症にもなりやすくなる、というわけです。

ストレスをゼロにする、というのはなかなかに難しいことですので、対応力を高めていくことが大切です。

◎質の良い睡眠をとるために

腸は、セロトニンの前駆体”トリプトファン”の合成をするはたらきがあります。

そして、このトリプトファンは、睡眠開始とその睡眠を維持する”メラトニン”の生成にも重要な物質です。

つまり、腸内の環境が悪くなると、眠りの質がさがるということです。

夜中に何度も起きるなど眠りが浅かったり、寝付きが悪かったり、寝起きが悪かったりと、スッキリしない毎日が続きます。

◎まとめ

本日は、脳と腸の関係性や腸内の環境が体内に与える影響についてご紹介しました。

それぞれの器官は、お互いに影響しているということが分かっていただけたかと思います。

腸内環境をよくすることは、自律神経の切り替えにも影響し、睡眠の質までも変えてしまいます。

「よく眠れない」、「疲れがとれない」とお悩みの方は、腸に着目してみてはいかがでしょうか。

麻布十番整体・鍼灸レスピレでは「東洋医学」の考えの元、食養生、鍼灸、整体、頭蓋骨の矯正、腸内環境の改善と、”元気に毎日を楽しく過ごせる身体づくり”を推奨しています。

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