中医学タイプ別!浮腫(むくみ)の治療法


中医学におけるむくみは、肺と脾、腎に大きな関連があると考えられています。


私たちが口にしたものは、胃腸に関連する脾によって栄養と老廃物に分けられます。

そこから、必要になる水分を肺へ送り、肺が全身に水分を巡らせ、その一部は汗となります。
全身に行き渡った水分は腎が受け取り、不要分は膀胱へ送り、必要分はリサイクルするよ
うな流れです。
この流れが滞ることにより、浮腫(むくみ)が生まれます。


①脾虚(ひきょ)
胃腸の弱い方は、水分代謝が上手く行かず、全体的にむくみやすくなります。疲労を感じ
ることで症状は悪化します。
・随伴症状
食欲不振、腹痛、お腹のハリ、倦怠感、疲れやすい、めまいなど
過労や胃腸の虚弱により、生命活動に必要な気が不足します。水分を排出できないがため
にむくみやすくなります。
・おすすめの食材
大豆製品、卵、山芋、きのこ、いんげん豆など


②肺熱(はいねつ)
風邪など、私たちの身体に悪影響を及ぼす外界からの邪気により生じるもので、顔面や上
半身がむくみやすくなります。
・随伴症状
咳、鼻詰まり、発熱、口の乾き、のぼぜ、皮膚炎、便秘など
肺に炎症が起こると、全身に水分を行き渡らせることができなくなり、むくみやすくなります。
・おすすめの食材
カブ、大根、れんこんなどの根菜類、白菜、茄子、豆腐、りんご、なしなど


③腎虚(じんきょ)
加齢や虚弱体質により生じるもので、顔面や下半身に症状が出やすくなります。指で肌を
押すと凹み、なかなか戻らない圧痕性のむくみが出ます。
・随伴症状
下半身のだるさ、頻尿、耳鳴り、白髪、難聴、精力減退、物忘れなど
年齢を重ねると、水を司る腎のはたらきが弱まります。全身を巡った水の回収が追いつか
ず、停滞してむくみとなります。
・おすすめの食材
黒豆、黒ごま、黒木耳、山芋、くるみ、アーモンドなどのナッツ類、卵など


④痰湿(たんしつ)
外気の湿気、水分の過剰摂取が原因となるむくみです。
・随伴症状
身体のだるさ、痰、食欲不振、胸の苦しさ、下痢など
湿気の高い日は特にむくみやすくなりますので、室内の除湿も大切です。また、食生活の
バランスが崩れると水分の代謝も低下し、循環に悪影響を与えます。


⑤血瘀(けつお)
血行不良により、水分が巡らなくなり、むくみが生じます。
・随伴症状
肩こり、頭痛、唇の血行不良、シミ・くすみ、冷えのぼせなど
デスクワークで長時間同じ姿勢を続けている方、運動不足の方がなりやすいタイプです。
血流を良くすることで改善が可能です。
・おすすめの食材
紅花、シナモン、ショウガ、黒糖、ネギ、玉ねぎなど

浮腫(むくみ)の施術
私たちの身体にある水分は全身を巡っているため、むくみ解消の施術もまた、全身に行い
ます。ただし、むくみの原因・要因は個人差が大きいもののため、それぞれの体質、原因
要因に合わせた施術が必要です。
足のむくみの解消に良いツボは、天枢(てんすう)、関元(かんげん)、陰陵泉(いんり
ょうせん)、三陰交(さんいんこう)などがあります。

他にも、足三里(あしさんり)、腎兪(じんゆ)、脾兪(ひゆ)、豊隆(ほうりゅう)を
指圧することで、むくみを解消できます。
顔のむくみの解消には、四白(しはく)や、顴髎(かんりょう)を指圧すると良いです。
緊張がほぐれ、小顔効果を得ることができます。


浮腫(むくみ)解消に取り入れたい生活習慣
①塩分の多い食事は控え、食生活のバランスを整えましょう
②水分の摂り過ぎには注意しましょう
③ウォーキングなどの適度な運動と、ストレッチやマッサージを習慣化しましょう
④1日の終わりには湯船に浸かり、しっかりと疲れを癒やし、血行を良くして就寝しましょ

⑤身体の冷えは禁物です。なるべく身体を温める習慣をつけてください。

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