肩こりや腰痛の原因を徹底追及

筋肉の緊張が諸悪の根源!?

人は立っているだけでも、首や肩、腰の周辺に体に負担がかかっています。人間の頭の重さは体重の10〜15%、腕の重さは5%を占めると言われています。仮に体重が50キログラムだとすると、頭の重さは50kg×10~15%でなんと5.0~6.5kg!これは500ミリリットルのペットボトル約10本分にあたります。このようにイメージするとかなりの重さであることが分かりますね。動物は肩こりがないと言われますが、人間は二足歩行のため、頭部を支えるために身体に負担がかかるということです。

姿勢が悪いと、筋肉の一部分が酷使され、筋肉が硬くなったり、疲弊したりすることがあります。その結果、疲労物質が蓄積され、筋肉が強張り、血行が悪くなります。血行が悪くなると、酸素が必要なだけ行き渡らなくなり、さらに疲労の原因となる成分が蓄積されます。

筋肉疲労が長く続くと、やがて筋肉が緊張して収縮し、肩こり・腰の痛みにつながります。また、疲労を生み出す物質が、末梢神経を刺激し、痛みを引き起こすこともあります。

間違った姿勢や歯の噛み合わせ、目の疲れにも要注意

肩こりや腰痛を効果的に予防するためには、まずそのメカニズムを理解し、改善に取り組むことが大切です。症状の主な原因は、運動不足と姿勢の悪さだと考えられています。長時間同じ姿勢でいると、特定の部位に負担がかかります。たとえ軽い負担であっても、それが長時間続くと、筋肉の緊張が生じ、肩こりや腰痛の原因となります。また、運動不足によって筋力が低下し、疲労物質が蓄積されやすくなることで腰痛や肩こりにつながるともいわれています。

また、肩こりや腰痛は、肥満や猫背、なで肩など、骨格や体格に左右される場合もあります。例えば、猫背の方は体の重心が前に移動するため、首や肩の筋肉が緊張し、肩こりにつながります。また、上半身で崩れたバランスを他の筋肉が補おうとするため、腰に負担がかかり、腰痛の原因になることもあります。

他にも、現代人は歯並びの悪さや眼精疲労から、肩こりに悩まされることが多いようです。特に、目と首は場所が近いため、目が疲れると、その信号が目の神経を伝わって首の周りの筋肉を緊張させ、これが肩こりの原因だと考えられています。

筋肉の緊張とストレス

現代人が生活していく上で、ストレスは避けて通れないものです。このストレスが、肩こりや腰痛の大きな要因となります。

ストレス反応と筋肉の緊張には、自律神経が関係しています。交感神経と副交感神経はどちらも自律神経の一部で、内臓や血管、汗腺など多くの身体機能の調節を担っています。この2つの神経は逆向きの働きがあり、一方の神経が活発になると、もう一方の神経の活動を低下させることになります。

動物が敵に襲われているときや獲物を狙っているときは、交感神経が活発になります。一方、副交感神経の仕事は、体をリラックスさせ、エネルギーを補給することです。

私たちが仕事などでプレッシャーがかかると、交感神経が優位になります。その結果、筋肉が引き締まり、血管が収縮して、肩や背中に負担がかかります。肩こりや腰痛が続くと、それ自体がストレスとなり、悪循環に陥ることもあります。

心も体も、お互いがお互いの働きに影響を与えます。体が動けば心が動き、心が動けば体が反応する。呼吸、筋肉、姿勢の相互作用によって身体をコントロールすることで、ストレスから生じる「こり」を予防・解消することができるのです。

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