最適な睡眠時間は何時間?年齢や季節による変化を解説

睡眠時間
  1. 年齢による睡眠の変化
  2. 季節による睡眠時間の変化
  3. 朝型人間、夜型人間は生まれつき
  4. 睡眠で大切なこと
  5. アルツハイマー病による認知症との関連性
  6. まとめ

私たちは、1日に何時間眠れば良いのでしょうか?
実は、この問題に絶対的な基準はありません。何故なら、1日に必要とする睡眠時間は、体質や性別、年齢、生活習慣等、個人的な要因に影響されるためです。

つまり、人それぞれ最適な睡眠時間は異なります。
日中に強い眠気が来て仕事にならない等の支障が出なければ、時間にはこだわらなくても良い、というのが答えとなります。

快活な日中

睡眠が足りているか、不足しているかは、日中しっかりと覚醒して過ごせたかが目安となります。

睡眠不足は、がんや糖尿病、高血圧等の生活習慣病、うつ病などの精神疾患、認知症等、さまざまな病気の発症リスクを高めることが分かっています。
ただ、冒頭でもお話した通り、最適な睡眠時間は人それぞれであり、単に睡眠時間が長ければ良いというものでもないのです。

睡眠7時間

アメリカにおける調査では、睡眠時間が毎日平均7時間の人が最も死亡率が低く、長寿であるという結果が出ました。短い睡眠が健康にとってハイリスクであるのは何となく理解できると思いますが、平均7時間の人よりも、8時間やそれ以上の人の方が死亡リスクが上昇する結果となったのです。

よく理想的な睡眠時間は「8時間」といわれることがありましたが、これには科学的根拠が何もなかったのです。

年齢による睡眠の変化

年齢による睡眠の変化

睡眠時間に関する研究はさまざまな分野で取り上げられています。そういった研究の論文をまとめたデータによると、夜間の睡眠時間は、年齢によって大きく変わることが分かりました。

  • ~10歳:8~9時間
  • 15歳:約8時間
  • 25歳:約7時間
  • 45歳:約6.5時間
  • 65歳:約6時間

加齢とともに、必要な睡眠時間が減少しているのが分かります。確かに、年齢を重ねる毎に「たくさん眠れなくなった」という話はよく耳にしますが、実際は、加齢とともに必要な睡眠時間が減少しているからなのです。

また、高齢者は若年層に比べて、早寝早起きの傾向もあります。これは、体内時計の加齢変化によるもので、血圧や体温、ホルモンの分泌量といった部分にも変化がみられます。

さらに、睡眠の質にも変化がみられます。加齢とともに、少しずつ眠りが浅くなります。実際に睡眠中の脳波を調べてみると、深いノンレム睡眠が減少して、浅いノンレム睡眠が増加していることも分かりました。「トイレに起きる」といったことが起こりやすくなるのも、これが1つの要因です。

若い頃と比べて眠れなくなったと悩んでいる方も多いようですが、これは加齢による正常な変化ともいえるのではないでしょうか。

季節による睡眠時間の変化

季節による睡眠時間の変化

睡眠時間は、季節によっても変化することが分かっています。
皆さんも日々の生活で感じていることとは思いますが、人は、秋から冬にかけて睡眠時間が長くなります。逆に春から夏にかけては、睡眠時間が短くなります。
これは、「日照時間」に深く関係しています。とくに1年で1番日が短くなる12~1月は誰もが睡眠時間が長くなる傾向にあり、1番日が長くなる6~7月は短くなる傾向にあります。

朝型人間、夜型人間は生まれつき

朝が得意な人、苦手な人という表現をよく耳にしますが、これは、体内時計の機能に関連した遺伝子の多様性であることが研究によって明らかになりました。つまり、朝が苦手というのは”生まれつき”のものだったのです。

その人の性格や気合い等と一緒くたに考えられがちですが、そんなことはないのです。
一般的に若い人ほど朝が苦手で、加齢とともに、徐々に朝型人間に近づいていきます。そしてこれは、睡眠調節が徐々に老化していくことに原因があるといわれています。

私たちは一生涯を通して、必要な睡眠時間が変わっていくものであるということです。そのため、「今」の睡眠時間の長さ、短さについては、そこまでこだわる必要無がないともいえます。
ショートスリーパーと呼ばれる人がいるように、5時間未満の睡眠でも毎日元気に生活できている人もいれば、ロングスリーパーと呼ばれる人のように、成人でも10時間以上の睡眠を必要とする人もいます。

たくさん眠ろうとしても、必要以上の睡眠は身体の方が避けるともいわれています。睡眠時間にこだわりすぎると睡眠障害を引き起こすこともあるので、ライフスタイルや自身の調子に合わせて自由に決めていくのが良いでしょう。

睡眠で大切なこと

① 睡眠時間の確保

睡眠時間の確保

睡眠時間で最も大切なのは、しっかりと眠ることです。日中眠くなることが多い人や、休みの日にまとめて眠るような人は、日頃の睡眠時間が不足している証拠です。

こだわりすぎないとはいえ、少なすぎる睡眠は身体を壊してしまいます。さらに、睡眠不足は、記憶力や感情、パフォーマンスにも悪影響を与えることがあります。生活習慣病のリスク軽減のためにも、適切な睡眠時間は守るようにしましょう。

② 体内リズムの形成

体内リズムの形成

規則正しい生活を心がけないと、人間の体内リズムは簡単に乱れます。例えば、試験前の徹夜、休みの前の日の夜更かし、休日の朝寝坊等、体内リズムが乱れるような日々を過ごしていませんか?

体内リズムが乱れると、寝たい時に覚醒してなかなか寝付けなかったり、朝の目覚めが悪くなったりと、良い睡眠が得られにくくなります。

睡眠不足同様、体内リズムの乱れも、生活習慣病やさまざまなパフォーマンスに大きく関わるといわれています。
毎朝同じ時間に起きて太陽の光を浴びることで、体内リズムを整えることができます。また、朝食をしっかりととること、就寝前にテレビやスマートフォン等のブルーライトの光を浴びないこと等も重要です。

アルツハイマー病による認知症との関連性

アルツハイマー病は、認知症の中で最も多く、記憶障害(物忘れ)が緩やかに進行する疾患です。睡眠障害は、この認知症とも大きく関連しているといわれます。

アルツハイマーと睡眠の関係性

アルツハイマー病は、アミロイドβタンパク質やタウタンパク質の脳内蓄積が関連するといわれています。実際に物忘れが現れる数十年も前からこれらの蓄積はスタートし、約10年後に脳萎縮がみられるようになると考えられています。

この蓄積に、「睡眠」が大きく関わっているのではないか?という見解があります。
睡眠時間の不足、過多、覚醒障害、睡眠時無呼吸症候群、体内リズムの乱れ等が、アミロイドβタンパク質等の産生に関わっているとみられています。

実際に、イタリアの研究では、軽症のアルツハイマー病の患者さまのうち、約60%の方が何らかの睡眠障害を持っていると報告しています。レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)や、周期性四肢運動障害等、その障害はさまざまです。

また、この研究の参加者のうち、約20%の患者さまが「入眠までに時間がかかる」、「アラームより早く目覚めてしまう」、「つい昼寝の時間が長くなる」と報告しています。

日本における研究においても同じような結果が報告されていますので、認知症と睡眠の関連性はほぼ間違いないでしょう。また、上記のような症状は、認知症の重症度が上がるほど増加します。

睡眠と覚醒のバランスが悪くなることによって、睡眠の質が低下し、さらなる睡眠障害に繋がることが原因と考えられます。

まとめ

私たちにとって毎日欠かせない睡眠は、単純に疲労回復するだけではなく、脳を休ませ、免疫力をつけ、健康的な生活を送るために重要です。また、記憶の固定や感情のコントロールという意味でも、睡眠が大きな役割を担っていることが分かります。

忙しい現代人は、つい睡眠不足になりがちです。しかし、忙しいからといって睡眠を蔑ろにすると、やがてそれは、自分の身体に返ってきます。将来の健康寿命を延ばすためにも、毎日の睡眠時間には気を配り、健康的な生活を送れるように努めましょう。

不眠症
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