なぜ肩こりはなかなか改善されないのか徹底解説

 慢性的な肩こりや首こりに悩んでいる方の主な原因は、自律神経の乱れです。
 運動不足や長時間のパソコン作業など、生活習慣によるものも大きいですが、自律神経を整えることが症状を解消する近道です。
 まずは簡単に私たちの身体の構造について説明いたします。私たちの身体を支えている背骨(脊柱)は、脊椎骨(せきついこつ)という小さな骨の連なりです。また、その1つ1つの間には、椎間板と呼ばれるクッションのようなものがあります。また、椎骨同士は靭帯(じんたい)でベルト状に繋がれています。
 いわゆる”首”というのは、この脊柱の1番上から7個目までの椎骨のことです。解剖学的にはこれを頸椎(けいつい)といいます。私たちの頭部は約6kgあり、それを頸椎を始めとする椎骨と頸部(けいぶ)の筋肉によって支えられています。
 私たちの頭、首は回す、曲げる、左右に動かす、傾けるなど、いろいろな方向に動きます。細かく椎骨が連なっていること、その周りをいくつもの筋肉群が取り巻くことによって、そのような複雑な動きも可能にしています。
 また頸椎は、脳と直結する脊髄(せきずい)を守るはたらきもあります。頸椎の内部には脊柱管(せきちゅうかん)と呼ばれる管のような空間があり、その中に脊髄が通っています。枝分かれした神経は脊柱の隙間より出て、肩や腕へ伸びます。神経の根本のことを神経根(しんけいこん)といいます。
 脳や脊柱の神経節をつくり、各臓器に連絡するはたらきを持つのが、自律神経です。自律神経には、身体の細部にネットワークを張り巡らせ、各部位のはたらきを自動的に調整する役割があります。
 また、首は脳の一部であり、神経の通り道です。肩や背中の筋肉の一部は首と連携して私たちの頭を支え、複雑な動きにも対応できるようにしているのです。

◎首の動きを支える筋肉とは?
 頸椎は、約6kgといわれる重い頭を常に支えています。これは、頸椎の周りにある僧帽筋(そうぼうきん)、頭板状筋(とうばんじょうきん)、頭半棘筋(とうはんきょくきん)、胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)などの筋肉があってこそできるはたらきです。

 僧帽筋は、首~背中にわたる大きな筋肉です。首の筋肉の中では最も皮膚に近い外側に位置する筋肉のため、肩こりや首こり、背中こり、肩甲骨の痛みなどとも大きく関連します。この筋肉の首や肩の部分が収縮することで、肩甲骨が上内方へ引き上がります。

 頭板状筋は、僧帽筋の下にある筋肉です。頸椎の後ろ側より上外方に伸びて、後頭骨の外側と繋がります。その両方が同時に縮むと、頭は後ろに反ります。片方が縮むと、そちら側に頭が回ります。

 頭半棘筋は、頭板状筋の下、上下真っ直ぐに伸びる筋肉です。後頭骨と頸椎の後ろ外側に繋がります。頭を後ろに反らせるのは、この筋肉のはたらきです。

 胸鎖乳突筋は、耳の後ろ側を触ると分かる骨と、胸骨、鎖骨を結んでいる筋肉です。左右同時に縮ませると、首をすくめ、顎を突き出すような形になります。片方のみ縮むと、顔が反対側に回りますが、頭全体は前傾して傾きます。

 今回はストレッチでも良く名前のあがる首回りの4つの筋肉について詳しく解説させていただきましたが、この他にも、小さく重要な筋肉がいくつもあるのが「首」です。
 例えば、頸椎と後頭骨を結んでいる大後頭直筋、小後頭直筋、頸椎と後頭骨の外側を結ぶ上頭斜筋、下頭斜筋などがあります。どの筋肉も頭を後ろに引き、真っ直ぐを維持する役割があります。
 このように首回りには非常に多くの筋肉があり、首こりにも大きく関わります。また、自律神経の乱れを引き起こし、副交感神経のはたらきが低下する恐れがあります。交感神経と副交感神経のバランスが崩れると、身体にさまざまな不調が現れはじめます。
 「頭が重い」「頭痛がする」「めまいがする」「良く眠れない」「すぐにイライラする」「動悸がする」「汗が出やすい」「ドライアイ」「血圧の上昇(低下)」症状は多岐にわたります。


当院では以下の流れに沿って、自律神経の整調、歪みを改善していきます。
 ①首や頭蓋骨、骨盤の歪みをチェックする
 ②自律神経の乱れがないかチェックする
 ③身体全体の筋肉をゆるめ、副交感神経のはたらきを促す
 ④鍼灸、整体による歪みの調整、また神経の通りを促す治療をする
 ⑤ヘッドマッサージによる自律神経の乱れの改善を行う


 このように身体の歪みをとり、自律神経のはたらきを高めることは、肩こりや首こりとい
った症状の根本的な原因の解消に繋がります。慢性的な症状にお困りの方は是非ご来院・
ご相談ください。

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