なぜ腸内環境が注目されるのか?

ここ数年、”腸活”という言葉をよく耳にするようになりました。

いったい腸内環境は、体にどのような影響を与えるのでしょう?

・腸で行われる消化・吸収のプロセスを円滑にする
・病気に対する抵抗力を高めると同時に、病気のさらなる拡大を防ぐ
・腸内に生息する細菌が作り出す酵素の働きによって、コレステロールやアンモニア、尿素が分解される
・発がん性物質の生成を防ぐ

以上のようなメリットがあり、腸内環境を整えることは、私たち全員にとって重要なことと言えます。

腸内環境が悪くなると起こりうる悪影響

眠りの深さに影響する
 腸内環境が悪いと、糖尿病、脂質異常症、高血圧などの生活習慣病のほか、うつ病、自律神経失調症、産後うつ、脳卒中、心筋梗塞などの重大な病気のリスクにもなると言われています。

感染症に対する抵抗力の低下
 私たちの体には、外部から侵入してくる有害な細菌やウイルスなどの病原体から私たちを守るための免疫システムが備わっています。このシステムを「免疫」と呼びます。
腸は、全身の免疫細胞の約70%が集中しているため、免疫システムにおいて非常に重要な器官です。

 腸内環境に異常が起こると、病原性細菌が優勢になり、腸の免疫器官としての機能が低下し、感染症だけでなく、他の病気にもかかりやすくなります。
 また、腸内環境が悪化すると、花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患や、リウマチなどの自己免疫疾患のリスクも高まります。

血流が悪くなる
 腸内環境が不健康になると、それが原因で血液がどろどろになると考えられています。
腸には多くの神経が張り巡らされているため、腸の環境が変わると自律神経が乱れてしまうのです。
 さらに、排便の状況が悪くなると、体内で作られる老廃物の量が増え、体内で作られた毒素や老廃物が血液中に蓄積されます。このような状態になると血液が全身を循環しにくくなり、不妊症や、生活習慣病の危険因子にもなると言われています。

アルツハイマー型認知症の発症確率を高める

 国立長寿医療研究センターの佐治直樹氏らが行った研究結果によると、日本の高齢者層では、腸内に生息する細菌の構成と認知症に大きな関係がある可能性があるということです。
 研究グループは、発表の一環として、認知症高齢者の腸内細菌叢(腸内フローラ)を調査しました。その結果、これらの患者さんでは「バクテロイデス」の腸内細菌の比率が低いことを発見したのです。
 腸内のバクテロイデス菌の不足が認知症の根本原因であると断言はできませんが、認知症の方の腸内環境にはバクテロイデス菌が少ないということは間違いないようです。
 バクテロイデスは食物繊維が主成分なので、不健康な食事やストレスの多い生活で腸内環境に悪影響を与え続けると、バクテロイデスの数は減少してしまいます。

ストレスへの対応力低下
 腸内環境の悪化は、脳にも何らかの影響を与えると考えられています。
 腸内環境が自律神経にも影響を与えることから、自律神経の乱れることで、メンタルにも良くない影響が出る可能性も考えられます。
 また、セロトニンの前駆体であるアミノ酸は、腸でつくられます。脳内のセロトニン濃度が低いと、ストレスに対する耐性が低下し、うつ病や自律神経系の疾患にかかりやすくなると考えられています。

睡眠の深さへの影響
 腸は、セロトニンの前駆体であるトリプトファンの合成を担っています。このトリプトファンは、睡眠の開始と維持に関わる物質の一つであるメラトニンの生成にも必要です。そのため、腸内環境が悪化することで、寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚めるなどの睡眠障害を引き起こす可能性があります。

今回は、腸内環境の影響についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
腸内環境を良好に保つだけで、自律神経のバランスを整え、睡眠の質を高めることが可能なのです。

当院では、東洋医学の観点から食事指導、腸もみ、整体、頭蓋骨矯正を行い、腸内環境の改善に努めています。

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