成人女性のうち、身体の何処かに不調を感じている方は50%を超えているといいます。
原因は日々の忙しさから、自分の身体に対するケアが万全でないことにあるといわれています。
実際、何らかの不調を感じていても、放置してしまっている人が大半です。
肩こり、首こり、腰痛、冷え、便秘、生理痛、頭痛、むくみなど、小さな不調が重ねれば、連鎖的に悪化していきます。
では、具体的にどのようなアクションが必要になるのかというと、「リンパ」が大切なキーワードとなります。
「リンパ」は、全身くまなく巡っているものなので、身体の不調の原因になりやすいです。
例えば、「リンパが腫れる」と発熱したり、痛みが出たり、頭痛や食欲不振を起こしたりします。
この「リンパ」をスムーズに巡らせることが、忙しい現代に生きる女性の健康を担っているといっても過言ではありません。
また、「リンパ」はストレスとも大きく関連するので、なるべくストレスをためない事、自律神経を整える事がとても大切です。
リンパとは?
リンパは、リンパ液、リンパ管、リンパ節などがあります。
身体の中に細菌や病原菌などが入り込まないようにするいわゆる“免疫”のはたらきがある他、余分な水分・老廃物を回収する役割もあります。
それぞれの役割について、さらに詳しくご紹介していきます。
① リンパ液
細胞から出た組織液のことで、静脈で回収できなかったものが流れ込み、「リンパ液」となります。細菌、ウイルスといった身体にとっての異物も回収する役割があります。
② リンパ管
リンパ液は、リンパ管の中を流れています。静脈に伴走するような形で、全身を巡っています。
③ リンパ節
リンパ管とリンパ管が合流するところにある豆粒のような組織です。
免疫細胞の集まる場所で、フィルターのような役割があり、異物を食い止めます。
現代はストレス社会とよくいわれますが、ストレス過多が続くと、脳からステロイドホルモンや神経伝達物質が分泌されて、これらのリンパのはたらきが悪くなります。
これにより、免疫機能が低下するため、細菌やウイルスに侵されやすくなります。
むくみやリンパの滞りは、これらの細菌やウイルスを戦うために生じます。
つまり、日頃からリンパのはたらきを最大限高めておくことが大切です。
リンパのはたらきを悪くする原因の1つはストレスですが、喫煙習慣や過度な飲酒、疲れ、睡眠不足でも同様に免疫力が下がります。
また、運動不足から筋力が少なくなることでもリンパの流れが悪くなるので、生活習慣を改めることも大切です。
さらに、自律神経とも大きな関係があります。
身体を守るときの交感神経のはたらきにより、白血球中の顆粒球が増加します。
不要なものは老廃物となりますが、これが多くなりすぎると、回収しきれなくなり、リンパの流れが滞ります。
このように、さまざまなことに関連し、連鎖的にリンパに悪影響が出てしまうのです。
筋肉の硬さも同じです。
スマートフォンやパソコンをよく使用する現代人は、筋肉が緊張してカチコチに固まっています。
リンパの流れはこの筋肉の柔らかさにも大きく関係するので、筋肉の緊張を和らげることも大切です。
リンパが腫れやすい、むくみやすいという方は、慢性疲労の可能性もありますので、十分に気をつけましょう。
慢性疲労について
慢性疲労というのは、西洋医学と東洋医学の概念の中間に当てはまります。
疾患ではないものの、何となく生活に辛さが出ていることを指します。
はっきりとした自覚症状が出ないため、何となくの不調は感じるものの、放置してしまっている状態の人がほとんどです。
起床時に感じる気怠さや、寝付きの悪さ、首こりがある人ほど慢性疲労である可能性が高いので、注意してください。
これらの不調を軽減し、健やかに生活するには、リンパの流れを良くすることが何よりも大切です。
自己治癒力も、免疫力も高まり、風邪やインフルエンザ、コロナにも強い身体をつくることができます。
具体的には、リンパマッサージを行うのがおすすめです。
リンパマッサージ
リンパマッサージとは、リンパを刺激することによって、リンパの流れを良くするもので身体にとても優しいケアです。
冒頭でも紹介させていただいた通り、リンパは全身を巡っているので、リンパマッサージは「足だけ」、「顔だけ」とかではなく、全身にアプローチすることが大切です。
身体の水分について
私たちの体内には、常に水分があります。
生まれたばかりのときは、身体の70%が水分で、それが少しずつ減り、成人男性で約60%、女性で55%くらいに落ち着きます。
そのうち、2/3が細胞内液、1/3細胞外液、いわゆる“体液”です。
この体液は、血液、組織液、リンパ液があります。
血液のはたらきは皆さんもご存知の通り、栄養分や酸素を運びます。
組織液は、毛細血管から血漿が滲み出たもので、細胞と細胞の間を満たします。
栄養と酸素を運ぶだけではなく、老廃物を血管やリンパ管に運ぶ役割もあります。
リンパ管に入ったものは、リンパ液となります。
つまり、血液からできるものとも言い換えることができます。
心臓から送り出された血液の90%は、静脈を通り、また心臓に戻ります。
残りの10%が組織液です。
また、この組織液が全てリンパ管に行くわけではなく、このうちの10~20%がリンパ管に入ります。
リンパ液、リンパ液、リンパ節と順に巡り、鎖骨下静脈より血流に戻ります。
リンパ液はほぼ透明な液体で、血漿、リンパ球、少量のタンパク質などが含まれ、やや黄色くみえます。
細胞からの老廃物や細菌、ウイルス、がん細胞なんかもこのリンパ液に含まれます。
全身を巡っているリンパ液は1日4~8リットル流れています。
血液は毎分4リットル流れるといわれているので、穏やかな流れです。
秒速にすると0.5センチ以下、分速24センチくらいです。
この緩やかな流れにアプローチするリンパマッサージは、思った以上の変化が出やすいです。
もともとゆっくりな流れがさらに滞っているので、変化を感じやすいためです。
また、『レスピレ』では、さらにリンパマッサージの効果を最大限引き出すために、筋肉をほぐしてからリンパマッサージをする施術の流れを採用しています。
何故なら、カチコチに固まった筋肉がリンパの流れを阻害してしまうこともあるからです。
現代に生きる私たちは、運動不足などの生活習慣、冷え、怒りや悲しみ、恐怖といったストレスに晒され、生きています。
肩こりや腰痛といった症状のない方でも、意外と凝り固まっているものです。
リンパマッサージだけでも効果はありますが、さらに効果を高めたい場合はまずは、筋肉をほぐしてからリンパにアプローチすることをおすすめします。