自律神経と過敏性腸症候群(IBS)

過敏性腸症候群とは、特別な病気があるわけではないにも関わらず、便秘や下痢といったお腹の不調が繰り返される症状です。
日本では10%~15%程度の人が過敏性腸症候群と言われていますが、その発症には自律神経が深く関わっています。
そのため、自律神経を上手く整えることができれば、過敏性腸症候群の症状を改善することができるのです。

今回は、そんな過敏性腸症候群と自律神経の関連性について説明させていただきます。

過敏性腸症候群(IBS)の3症状

まずは、過敏性腸症候群の症状について確認しておきましょう。
代表的な症状は、大きく次の3つに分類することができます。

  1. 便秘
  2. 下痢
  3. 全身症状
便秘
便秘
過敏性腸症候群により消化管の働きが弱まってしまうと、食物が腸を通過する時間が長くなります。
その結果、水分が過剰に吸収されて便が硬くなり、便秘が発症するのです。
便が腸の中に留まり続けると、腸内で悪玉菌が増加し、体臭や肌荒れの原因となる毒素を発生させてしまいます。
下痢
下痢
過敏性腸症候群では、消化管の働きが過剰になる場合もあります。
その場合は、腸の通過時間が短くなってしまうため、水分を十分に吸収することができません。
水分が吸収されなかった食物は、軟便や下痢、大量の粘液として排出されます。
全身症状
全身症状
便通の異常とともに、頭痛・めまい・不眠・動悸・頻尿・月経異常などの症状が起こることも少なくありません。
過敏性腸症候群の方は、そうでない方と比較して2倍以上それらの症状を発症すると言われています。

私たちの健康を守る自律神経

続いて、自律神経の働きについても確認しておきましょう。
自律神経は、私たちの意思とは関係なく機能し、体の様々な器官の働きを調整している神経です。

例えば、手や足であれば自分自身で意識して動かすことができますが、胃腸や心臓は意識して動かすことはできません。
そのような器官をコントロールしてくれているのが、自律神経なのです。

交感神経・副交感神経

自律神経には、交感神経と副交感神経の二種類があります。
昼に活動するための交感神経と、夜に休むための副交感神経がそれぞれ交互にバランスよく働くことによって、私たちの健康が保たれています。

自律神経の乱れはストレスによって起こる

自律神経が正常に働いている状況では、私たちの健康は保たれていますが、過剰なストレスを受け続けるとその働きが乱れてしまいます。

ストレスを受けると、交感神経の働きが活発になります。
交感神経は、「闘争と逃走の神経」とも呼ばれ、ストレスの原因と戦いや逃走のため、血流を増加させ、筋肉を緊張させる働きを持っています。

ストレス

しかし、一定以上のストレスを受け続けると、過剰になりすぎた交感神経の働きを抑えるために、副交感神経の働きが活発になります。

副交感神経は、基本的には「休むための神経」です。
しかし、消化器に関しては働きを活発するように作用します。

そのため、副交感神経が活発になりすぎると、下痢や便秘など消化器の不調が引き起こされます。
その不調こそが、過敏性腸症候群の正体なのです。

いかがでしたでしょうか?
今回は、過敏性腸症候群と自律神経の関連性について説明させていただきました。
自律神経を上手く整えることができれば、過敏性腸症候群の症状を軽減できるということをご理解いただけたかと思います。

当院では、自律神経を整える整体・鍼灸・腸もみを行うことが可能です。
長く過敏性腸症候群や消化器の不調に悩まされている方や辛い症状をお抱えの方は、是非当院にご相談ください。

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